能美の家
the house in nomi
築80年の和風住宅を改修。維持して活用するところと、変えて改善するところを、打合せを重ね、計画を練り上げながら検討して決めた。
外観をかつての形を蘇らせたいというお施主さまの希望により、金属板を剥がし、下見板張りに替えた。
和室の赤い左官壁や漆塗りの木造作材、黄色い源氏襖は、この地域の伝統的なしつらい。そのまま同じ形で補修した。
玄関の位置を変え、それに伴い、格天井、しぼり丸太、式台、造作材も移設再利用した。取り壊した付書院の欄間障子を、壁飾りにしている。
風除室は、北陸の和の家には必須、冬の冷たい風や雪が吹き込むのを防ぐ。
既存廊下を途中で間仕切るのに、ガラスと格子をつかい、廊下が奥へ続いていることを見える状態にとどめている。
二重垂木の化粧天井を引き立たせるため、既存のペンダント照明を取り外してすっきり見せ、さらに間接照明で照らした。
かつての広々とした玄関スペースはダイニングキッチンと食品庫に割り当てた。
既存の縁側の床板を加工して、キッチンの前板にした。急な階段は、床の間を吸収して距離をかせぎ、勾配を緩やかにした。
グラデーション染色の麻の和紙は、県内の和紙工房に依頼。赤い左官壁と漆塗りに馴染む色にしている。
和室は収納が少ないので、収納スペースを充実させた。
木造2階建て 伝統構法+在来工法 ・ 延床面積 443.04㎡ ・ 工事延床面積 335.60㎡
能美の家
the house in nomi
美川の家
the house in mikawa
和風住宅のLDKと洗面・浴室を主に改修。無垢の木を使った建具やキッチンカウンターは、
お施主さまのこだわりで、自然の木の表情が空間を彩ります。
居間から中庭が見える窓は、床の間風の大きな窓にして、中庭を広々と、また飾られた景色のように見せた。
居間の別面の壁にも、新たに窓をとり、建物に囲まれている中庭の風の抜けを良くしている。
ダイニングと居間の間に廊下があったが、ダイニングに取り込み、居間とは籐の建具で仕切り、
それぞれの部屋から家族の気配が感じられるようにした。和のしつらえに馴染むように、収納戸を和紙貼りにした。
木造2階建て 在来工法 ・ 延床面積 498.18㎡ ・ 工事延床面積 69.58㎡
橋場の家
the house in hashiba
明治期に建てられた金澤町家を再生。町家らしさを保ちながら、現代の生活に合せることを意識している。
木製格子オーバースライドパネルにより、ガレージハウス仕様を可能にした。
天窓や床スノコや木製格子戸を設け、暗く閉鎖的になりがちな内部空間に光と風を取り込んだ。
玄関では、来客にお茶をたてられるよう、オリジナルの炉台を置いている。
浴室や便所の間取りは、町家の細長い空間に合せて有効にレイアウトした。
既存の建具、ガラス、木材を、割り振ってそこかしこに再利用している。
内部の漆喰塗り、柿渋塗装、製作金物は、お施主さま自ら施工。
木造2階建て 伝統構法 ・ 延床面積 171.31㎡ ・ 工事延床面積 171.31㎡